新薬の上市にあたっては、非常に大きな資本を投じると同時に、同じくらい大きなリスクを背負わなければなりません。新薬の大規模製造のための生産能力を準備するには通常3〜4年かかるため、どの程度の生産能力が必要であるかの判断は多くの場合、第III相試験完了前に下す必要があります。ですが、その時点で需要を予測することは困難であるため、必要な生産能力を判断することは簡単ではありません。需要は過小に予測しても、過剰に予測しても収益に重大な影響を及ぼします。新薬の需要の見積もりが低すぎると、生産量が足りず、かけがえのない収益の機会を失ってしまいます。一方、見積もりが高すぎた場合には、生産能力に過剰な投資をしてしまい、利益が大幅に減ってしまいます。