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過去10年間でバイオ医薬品業界は2桁成長を遂げ、全体的な市場シェアも増大しました。事実、 2020年の市場予測報告書によると、全世界のバイオ医薬品市場は2026年までに約1500億ドルに達すると予想されています。
バイオ医薬品イノベーターにとっては大きな機会ですが、市場一番乗りを目指して懸命に努力している小規模/スタートアップバイオテクノロジー企業の競争は激化しています。幸いにも米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局は、革新的なスペシャリティー医薬品の急増を踏まえ、できる限り速やかな上市を支援する有効なアプローチとして、 次の4つの制度を整備しています。
ですが、バイオテクノロジーのイノベーターは、バイオ医薬品の早期上市を実現するために規制当局のみに頼ることはできません。バイオ医薬品の開発から上市までの道のりを最速で進めるために、実験室レベルでできることはたくさんあります。言うまでもなく、成長し続けるバイオ医薬品市場で最も重要なのはスピードです。バイオ医薬品イノベーターにとって、スピードは市場一番乗りの成否を分ける要因です。
バイオ医薬品の開発を速やかに進めるには、適切かつ革新的な技術が必要です。特に開発の初期段階では技術が重要です。事実、真に革新的な技術を適切に用いれば、開発期間を6週間〜8週間短縮することが可能です。さまざまな適切な技術がありますが、各技術がどの程度開発期間を短縮できるのか評価することが大切です。
長年にわたって、小規模バイオ医薬品企業は、バイオ医薬品の開発・製造・上市を複数業者に委託するマルチベンダー戦略を取ってきました。各領域の専門家に委託し、1社にすべてを任せることのリスクを避けていたわけです。一見、理にかなったアプローチですが、実際には開発期間の長期化を招き、市場一番乗りを達成できる確率を下げてしまうことがあります。
アジリティを確保し、早期上市を実現するには、開発から上市に至る道のりの引き継ぎ作業を減らすことが最も重要です。すなわち、引き継ぎが多いほど、開発が遅れるリスクが高まるのです。
複数業者に委託した場合、各業者にとって委託範囲以外の作業に取り組む理由はあまりありないのが普通です。また、多くの業者はそれぞれ異なる作業方法や定義を持っています。その結果、プロジェクトの進捗が遅れるだけでなく、次の業者の混乱の原因にもなります。バイオ医薬品の開発の一部の作業を別の業者に引き継ぐ場合、ミスや見落とし、損害責任が発生し、時間のかかる作業のやり直しや、開発期間の長期化につながり、コスト増を招きかねません。
このようなリスクを抑えるには、より総合的なサービスを提供できる単独業者に委託することが最も賢明な選択肢となりつつあります。シングルベンダー戦略では、複数業者の調整・管理を行う必要がなく、バイオ医薬品の開発・製造・上市に伴う大きなロジスティクス負担を軽減することができます。その結果、患者さんの人生を変えるような次の革新的バイオ医薬品の創製というお客様の主力事業に時間と資源を投入することが可能となります。
COVID-19がもたらした変化と課題への対応・適応にバイオ医薬品業界が取り組み続けている中でも、優れたCDMOは開発を最速で進める方法を構築します。技術移管の効率化とバリデーション作業の合理化を実現できるCDMOは、従来法に比べ数ヵ月も開発期間を短縮することが可能です。
最後に、CDMOが紹介するエンド・ツー・エンドのソリューションについては、その根拠を確認しましょう。そのようなサービスを紹介する業者は多くありますが、実際に開発期間を短縮でき、バイオ医薬品の早期上市に貢献した実績があることを裏付ける具体的な根拠がなければ、単なるセールストークであり、真の技術力を備えていない可能性があります。