カテゴリー | 先進治療
大手であってもスタートアップであってもバイオテクノロジー企業各社は、円滑な申請作業を確保できる資源や専門知識を社内に備えていない場合が多いでしょう。企業規模にかかわらず、各社は、患者さんの人生を変えるような治療薬を速やかにかつ安定的に提供することと、治療薬の安全性、純度、力価を確保するための重要な規制ガイドラインを遵守することのバランスを取りながら開発を進めなければなりません。
市場は急速に成長しつつあり、規制要件も変化し続けています。このような中で、規制ガイドラインを遵守しつつ、患者さんの命を救う製品を速やかに上市することは、どんなバイオテクノロジー企業にとっても容易ではありません。このような状況の良い例が、細胞治療&遺伝子治療(C>)市場です。
C>製品やウイルスベクター、ウイルスワクチンの市場は非常に独特であり、他のバイオ医薬品と多くの点で大きく異なっています。C>製品は、「1回投与しただけで終わる」可能性がある治療法です。 モノクローナル抗体などの従来のバイオ医薬品からのパラダイムシフトとして、C>製品は、長期的に治療するのではなく、根本的に治癒をもたらすことを目指すものです。これはサプライチェーンのパラダイムも変えるものであり、多くのバイオ医薬品イノベーターはCG&Tに移行しつつあります。患者さんの人生を劇的に変える可能性を持つC>製品は、1日でも早く上市したいという強い思いがありながら、多くのバイオテクノロジー企業にとってまだ未知の領域であるのが現状です。高額な薬価や保険償還に関わる不確実性、スケールアップに要するコストなどにより、あらゆる規模のバイオテクノロジー企業にとってウイルスベクター製品の早期上市は容易ではありません。
また、ウイルスベクターは独特の市場と製造方法であることから、特別な施設と専門知識が求められます。
このようなC>製品の新規性・特殊性にもかかわらず、市場需要は増大し続けています。 2020年の報告によると、C>市場は、CAGR30%以上で成長し、2025年までに140億ドルに達すると予想されています。さらに、米国食品&医薬品局(FDA)もC>市場は急速に成長し続けると予想しています。
「年間のIND申請数は2020年までに200件を超えるでしょう。現時点のパイプラインと臨床成功率に基づくと、2025年までには毎年10〜20品目の細胞治療・遺伝子治療製品が承認されると予想されます。」
Scott Gottlieb, MD, Commissioner of the FDA
C>製品の承認に外部要因による遅れが生じることを防ぐため、FDAや欧州医薬品庁(EMA)などの規制当局は公式・非公式のガイドラインを複数発出し、ウイルスベクター製造企業が、患者さんの人生を変えるような製品を円滑にかつ安全に製造できるように尽力しています。しかし、C>市場は変化し続けていることから、この領域の急速な成長と開発に応じて規制も速やかに変化させなければなりません。
このように規制は変化し続けていますが、C>製品開発の科学的経験だけでなく、規制の変化にも柔軟に対応する力を備えた真のC>エキスパートと呼ぶことができるCDMOが存在します。あらゆる規模のバイオテクノロジー企業にとって、規制対応は非常に困難な仕事であるため、十分な規制当局との交渉経験を備えたCDMOとの提携は最優先事項の1つと言えるでしょう。
C>製品の上市が強く求められる中、生物製剤承認申請(BLA)承認までは平均4年近くかかります。承認までに時間がかかること、また、規制が変化し続けていることから、業界全体でCMCがボトルネックとなっており、C>製品を患者さんに届けるプロセスが長期化しています。ウイルスベクターが規制当局の承認プロセスの最終段階で引っかかることは、企業にとっても患者さんにとっても大打撃です。
C>市場をリードするCDMOは、このようなCMCボトルネックの影響を軽減しつつ、開発を加速させることができます。また、実績あるCDMOはC>市場のニュアンスや新規性を十分に理解することが可能です。ですが、これはCDMOがウイルスベクターサービスのエキスパートであるために必要とされる多くの要素の1つにすぎません。
ウイルスベクターサービスを提供するCDMOと既に提携している場合でも、提携を検討中である場合でも、CDMOがどのような基本的専門知識を備えているのか確認することが大切です。例:
このような質問では、CDMOがウイルスベクターサービスのエキスパートであるために必要な要素について表面的にしかわからないかもしれませんが、これらを確認することは大切です。このような質問がきっかけとなって、意義のある、より深い対話が生まれ、お客様が目指すウイルスベクターにCDMOがどのように取り組むのか、また、患者さんが必要としているウイルスベクターを継続的に製造するために何をするのかを十分に把握することが可能となるでしょう。
また、CDMOは上市最速化活動の一部として、事業継続性を維持し、規制当局の期待と取り組みに対応できる能力も備えていなければなりません。COVID-19があらゆるバイオテクノロジー企業にとって克服することが困難な課題であった今、このことはいっそう明確になっています。事業の規模にかかわらず、安全な製造の維持と査察などの規制要件への対応を両立できるかどうかが、エキスパートと初心者の分かれ目と言えるでしょう。良いCDMOは製造に関わるすべての要素を維持するために、適切な事業継続プロセス・手順を整備していますが、規制当局の査察はどうでしょうか?CDMOは製造施設の安全性を確保しながらどのように査察に対応しているでしょうか?
旅行に伴う感染リスクがまだ懸念される中、従来は直接対面して行われていたミーティングの多くがバーチャル形式となりました。FDAやEMAなどの規制当局による査察も同様です。このような新しいバーチャル形式での規制当局とのコミュニケーションに対応できる体制を整備していないCDMOは、C>プロジェクトを円滑に、かつスケジュール通りに進めることが難しいでしょう。良いCDMOは、自社の施設や手順をバーチャルで規制当局に示すことができる強力な手段を構築しています。
このようなバーチャル査察は単なるWebEx会議ではありません。規制当局担当者が施設の細部まで確認できるシステムを構築し、すべての査察項目をクリアする必要があります。良いCDMOは次のようなバーチャル環境を構築しています。
CDMOがこのような複合現実技術を導入している場合には、2つのことがわかります。まず、事業継続性の維持に真摯に取り組んでおり、グローバル業界がどんな課題に直面しても対応できる能力を備えていること、そして、規制当局に対する責任をないがしろにせず、規制当局とのコミュニケーションを大切にしていることです。C>市場では、規制当局との連携がC>製品の成功に不可欠の要素です。
企業規模を問わずあらゆるC>イノベーターは、規制対応のリスクを低減し、全体的な事業コストを最小化しつつ、次の臨床マイルストーンをできる限り速やかに円滑に達成するために、CDMOパートナーを必要としていることを私たちはよく理解しています。細胞治療・遺伝子治療の開発・製造・流通をエンド・ツー・エンドでサポートする総合的な独自ソリューションをご利用ください。
私たちは、単なるC>製品CDMOではありません。お客様の成功と患者さんの命を救う治療薬の提供に貢献できるウイルスベクターサービスを提供するパートナーです。