統合されたビジネスプロセスを通じてデジタル文化を実現する

February 17, 2023 by Sara Sheriff (4 分で読めます)

カテゴリー | 総合的サービス


安定性と経験がものを言うフィジカルな職場環境とは異なり、デジタル業務環境の中心となるのはイノベーションと連携です。このような積極的かつデータ集約型のアプローチは、共同作業と新しいアイデアにより総合的なソリューションを生み出しやすいことから、各企業はデジタル文化の構築に取り組んでいます。Pharma 4.0™とは、デジタル技術を適用し、革新的プロセスや技術を活用することにより、より良い医薬品の製造・供給を推進することをいいます。各企業において、主要プロセスの統合、最適なPharma 4.0ソリューションの活用、デジタル文化の構築が正しく実施されれば、サービス内容の拡充、作業時間の短縮、速やかな問題解決、サービスと製品の品質向上により、お客様により良い成果を提供することが可能となります。

デジタル化に伴う課題

今日の医薬品サービス・製造を取り巻く環境により、各企業において業務へのデジタル的手法の導入がますます必要とされていますが、デジタル化の推進にあたってはさまざまな課題が生じることが少なくありません(図1参照)。新たにデジタル化を推進しようとしている企業は、既に業務環境にデジタル的手法を取り入れているパートナーと提携することにより、多くを学ぶことができるでしょう。デジタル化のプロセスを円滑に進め、これらの課題を最小限に抑えることが可能となります。

IT:情報技術、KPI:重要業績評価指標

デジタル文化定着のための5つの要素

フィジカルな業務環境からデジタル業務環境への変革を支えるデジタル文化を円滑に構築するための5つの要素をご紹介します。

  1. データの見える化と統合:連携の強化とデータの見える化により、総合的なデジタルエコシステムの構築が促され、プロセスとタスクではなく、成果と品質に焦点を当てた事業活動が可能となります。

  2. コミュニティーとして活動するチーム:部門間の共同作業により、移行プロセスを合理化し、最適な社内コミュニケーションを確保することが可能です。

  3. 顧客/患者さん中心主義:あらゆるデジタル文化の軸となるのは、データの完全性と品質です。デジタル化の過程で下される決定はすべて、顧客/患者さんのニーズをより的確に満たす事業活動を可能とするものでなければなりません。

  4. 目的に適した技術の効果的な使用:デジタルトランスフォーメンションを促進するためのソリューションやプラットフォームは数多く存在します。さまざまな選択肢や技術を十分に理解することにより、これらのソリューションを業務プロセスに適切に適用することが可能となります。

  5. 創造的かつ熱意あふれる問題解決:デジタル文化のイノベーションの原動力となるのはデジタル人材です。デジタル文化のビジョンを実現するには、仕事に熱意を持って取り組み、既成概念にとらわれない考え方ができる人材が不可欠です。

デジタル文化への変革は、さまざまな側面が相互に関連し合うプロセスです。データの見える化を進める努力は、適切な技術、ツール、人材、そしてリーダーシップがなければ成果を挙げることはできません。上記の5つの要素それぞれに配慮することにより、デジタル文化への円滑な移行が促されるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションの進め方

Pharma 4.0への変革プロセスを推進するのは、各企業のニーズと目標です。サーモフィッシャーサイエンティフィックの場合、生産性の向上により能力を高め、有機的成長を促すには業務方法の変革が必要でした。データに基づく意思決定を優先的に進め、品質とスピード、顧客経験の改善を目指したのです。上記の5つの要素を確保することにより、バイオ医薬品、原薬、ウイルスベクター、無菌製剤、経口固形製剤(OSD)における最適なデジタルトランスフォーメーションを推進するための要件や資源(適切な人材を含む)、プロセスを見極めることが可能となりました。

グローバルな統合と連携を確保したエコシステム構築のための専門知識を備えたパートナーと提携することにより、データを必要なときに必要な場所で見ることができる的確なデータ管理が可能となります。デジタルトランスフォーメーションは、製造に関わるプロセスを変えるだけではありません。企業文化にも影響を与え、イノベーションとアジリティの向上、顧客/患者さんへのより質の高いサービス提供の実現に寄与します。

サーモフィッシャーサイエンティフィックがどのようにデジタル文化を醸成しているか、また各企業におけるデジタルトランスフォーメンションの進め方について解説いたします。こちらをクリックしてご覧ください。