カテゴリー | 先進治療
数十年にわたる努力と新たな知見により、細胞治療・遺伝子治療(CGT)は単なる夢物語から、実際に多くの患者さんの人生を変える治療法に成長しました。CGTは米国などの地域において成長しつつある市場であり、今後数年間に全世界で複数の新規CGT製品が承認されると予想されています。しかし、患者さん側のさまざまな課題や業務モデルの複雑さから、CGTの可能性を実現することは容易ではありません。イノベーターおよびそのパートナーは、臨床フロー/patient journey(患者さんが疾患を認識し、診断・治療を進めるプロセス)を合理化する方法を見出す必要に迫られています。
医薬品の開発・提供では、必ず患者さんを中心として考えなければなりません。患者さん中心主義(patient centricity)とは、製薬業界における複雑なあらゆる活動を、各患者さんのより良い人生に貢献し、疾患の管理・治療を最適化することを目的として行うことを意味します。Patient journeyマップを作成することにより、patient journeyの各段階を理解し、改善の機会があるタッチポイントを把握することが可能です。CGTの対象となる可能性がある患者さんのpatient journeyは非常に複雑です(図1参照)。開発企業や患者擁護団体などの重要なステークホルダーとの話し合いから、patient journeyは線形のプロセスではなく、複数のタッチポイントや手順、さまざまなサービスプロバイダーが関与し、治療等を受ける場所も1つではないことが明らかとなっています。また、介護者はpatient journeyの重要なステークホルダーの1人ですが、その役割は不安や不満、混乱に満ちていることが少なくありません。このような要因により、CGTの臨床的価値プロセスは複雑なものとなっており、最適なケアを提供する機会が失われる可能性につながっています。
患者さんのCGTプロセスにおける問題点をより良く理解することにより、業務モデル全体を合理化し、改善する方法を見出すことが可能です(図2参照)。
サーモフィッシャーサイエンティフィックが複雑なCGT業務モデルの改善・合理化を目指して用いている方法の例をご紹介します。
CGTエコシステムは非常に複雑です。患者さん中心の取り組みを維持するには多くの関係者が高度な連携とコミュニケーションを維持しなければなりません。長年にわたってこの領域のさまざまなステークホルダーの声に耳を傾け、ともに協力してきたサーモフィッシャーサイエンティフィックは、CGTの開発や患者さんへの提供に携わるパートナーを最適に支援する方法を理解しています。他社にはないエンド・ツー・エンドのソリューションの組み合わせにより、CGTの開発・製造・流通を強力に支援いたします。その性質上、CGTは人手とコストを要するプロセスですが、革新的ソリューションと実用性・効率性を重視した作業により、お客様と患者さんの双方に対する価値最大化を実現いたします。