CPHI 2024からの洞察:戦略的なCDMOおよびCROパートナーシップによる医薬品開発の加速

October 21, 2024 by Staff writer (12 minute read)

カテゴリー | CDMOサービス


CPHI Milan 2024からの報告:戦略的CDMO・CROパートナーシップによる医薬品開発の最速化

規制上の課題からコスト増大まで、製薬・バイオテクノロジー企業が受ける圧力がますます高まる中、適切な外部委託パートナーとの提携は戦略的に欠かせない要素となっています。ミラノで開催されたCPHI Milan 2024では、サーモフィッシャーサイエンティフィックのPresident of Commercial OperationsであるJennifer Cannonが、この複雑な環境下での開発成功に貢献する戦略的パートナーシップについて解説しました。

「今日の医薬品開発企業が直面している圧力は計り知れません。このような環境で競争力を維持するには、専門知識だけでなく、環境に柔軟に対応し、あらゆる開発ステージを速やかに推進できるアジリティを備えたパートナーとの提携が必要です。」

外部委託ニーズの拡大

Cannonは、外部委託ニーズを増大させている主な要因には外的・内的圧力があるとし、外的には、競争の激化、世界各国の規制の強化、サプライチェーンの混乱、内的には、研究開発費の増加などの財政面での圧力により、企業は従来型の事業モデルの再検討と資源の最適化を迫られていると指摘しました

「新しい外部委託モデルはかつてないほど重要になりつつあります」とCannonは強調し、柔軟性、信頼性、そして市場需要と規制環境に的確に対応できる専門知識を備えたCDMOやCROとのパートナーシップの必要性を解説しました。

外部委託の最適化により、さまざまな治療領域の課題を解決する

また、Cannonは、さまざまな治療領域の特有の課題に対処するには、それらに適した外部委託戦略の構築が重要であることにも言及しました。

低分子の場合、CDMOはスケーラブルかつ安全性の高い製造体制を提供できるため、外部委託により、コスト圧力の管理や知的財産の保護、規制遵守を確保することが可能です。より複雑な製造プロセスと低温ロジスティクスが必要となるバイオ医薬品では、規制遵守を確保するため、高度な設備と専門知識を整備しなければなりません。一方、細胞治療・遺伝子治療では、患者さんごとの個別治療と規制要件の変化に対応するため、柔軟かつスケーラブルなプラットフォームが求められます。

「各モダリティーに適した外部委託ソリューションの構築は、成功の必須要素です」とCannonは述べ、画一的なアプローチではこのような複雑な環境に対応することはできないと指摘しました。

包括的パートナーシップがもたらす価値

Cannonは、シンプル化と開発スピードの向上を目指し、すべての業務を1社に一括して委託するトレンドについて解説し、原薬・製剤開発、臨床試験をカバーする総合的サービスによる開発プロセスの合理化の例としてサーモフィッシャーのAccelerator™ Drug Developmentモデルを紹介しました。

「複数の業者との提携を管理することは、開発プログラムにおける時間とコストの無駄につながります。」

リアルワールドでの事例がもたらす知見

戦略的外部委託のメリットについて、Cannonは複数の事例を紹介しました。その1例では、定量法の移管の際にばらつきが生じたため、First-in-Human(FIH)試験入りが遅れ、大きな金銭的損失につながる可能性に直面したクライアントに対し、サーモフィッシャーの薬事・CMC部門がプロセスを合理化した結果、予定よりも12ヵ月も早い臨床入りを実現し、大きな影響を及ぼす可能性がある開発遅延を回避することができました。

また、チーム間の連携不足により開発が遅れていた製薬企業において、サーモフィッシャーの総合的なプロジェクト管理とコミュニケーション強化により、スケジュール通りのマイルストーン達成とともに、コスト削減が可能となった事例も紹介されました。

「これらの事例から、効果的な外部委託パートナーシップは、医薬品開発のスピードとコストに明らかなメリットをもたらすことがおわかりいただけたと思います。」

“These case studies highlight how effective outsourcing partnerships can have a measurable impact on the speed and cost of drug development,” Cannon said.

新たな研究から得られた予備的データ

Cannonは、Tufts Center for the Study of Drug Development(タフツ医薬品開発研究センター)の最近の研究から得られた予備的データも紹介し、Accelerator™ Drug Developmentモデルでの開発推進によりコスト削減・開発期間短縮効果が得られたことを解説しました。本年度中に公表予定の詳細な結果では、開発全体をカバーする総合的なサービスと専門知識を提供する単独パートナーとの提携は大きな価値をもたらすことが明らかとなっています。

今後の展望

Cannonは、外部委託は今後も製薬・バイオテクノロジー事業の成功に重要な役割を果たし続けることを指摘し、プレゼンテーションを締め括りました。各企業が直面する課題が増え続ける中、効率的に、かつ、高い費用対効果で新薬上市を実現するには長期的、戦略的なパートナーシップの構築が不可欠な要素となるでしょう。

「専門知識を提供するだけでなく、規制要件や市場環境の変化に応じた柔軟なプロジェクト推進を実現できるパートナーシップが成功を左右します。」

CPHI Milanに参加し、Accelerator™ Drug Developmentモデルの提供開始などを報告したサーモフィッシャーは、総合的なCDMOCRO治験サプライチェーンサービスによりお客様に貢献することに真摯に取り組んでいます。

略的外部委託による医薬品開発の最速化を支援するサーモフィッシャーの総合的サービスを詳しくご紹介します。今日の複雑な環境における医薬品開発を強力にサポートするAcceleratorTM Drug Developmentプログラムについては、こちらAcceleratorTM Drug Developmentをご覧ください。.